arioso BLOG >>>

とるぞ大型二輪奮闘記 その5


朝起きると天気は「雨」。

望むところだ。

梅雨時期に入所した私である。

実車50%以上雨であった(...気がする)。

モンベルで買ったレインウェアが大活躍だ。

そんでもって路面が濡れている時の急制動は停止制限距離が3m延びる。

ラッキーではないか。

 

...と半ば「どうにでもなれ」状態で教習所に入ります。

本日の受検生は8名。

大型4名、中型4名(内女性1名)であります。

各1台ずつ計2台がお昼休み中のコースを利用して走り回るのです。

私はゼッケン4番。

ゲゲッ、最後だ。

順番待ってるの、何かヤダ。

中型の方が試験項目が少ないのでちょっと早く終わる。

ってことは私が最後の最後まで残るのだ。

見られると余計にキンチョーしそうだ。

色々と事前説明を受けている頃には雨も上がりました。

 

いよいよ検定スタート。

いくぜっ!!

どうやって採点するのかというと試験官が四輪車に乗って後をついてくるのです。

パトカーにつけられているような妙な感覚。

とにかく目指すは完走&合格ライン70点以上死守。

 

一番の人。

おお、うまい。

何事もなく進んでいきます。

そして無事ゴール。これは合格だな。

 

二番の人。

前回クランクでパイロンに触れてしまったそうで、今回二度目だそうです。

いやいや、うまい。

何事もなくゴール。

今回は大丈夫でしょう。

 

三番の人。

中型含め全8名中、唯一私と同世代の男性。

実は次の受検生は試験官の車の後部席に一緒に乗るのです。

交代の時間をスムーズにするためだそうですが、一緒にコースを走れるので予習になります。

私の乗った四輪車は三番の方を追尾していきます。

スムーズに進んでいたかと思いきや、ププッとクラクションが鳴らされて検定中止。

スラロームでパイロンに触れたようです。

ヒェ〜。

 

心の準備が整わないまま、突然私の番に。

「じゃ、どうぞ」と言われ「よろしくお願いします」ときちんと丁寧に頭を下げる。

この辺の過度の礼儀正しさは大人ならではの行動であります。

バイクの左右を「これでもかっ」と思いっきり首を左右に振りながら安全確認。

公道でこんなにやってたら、逆に怪しまれるかも知れない。

スタンドを払いバイクにまたがると右足をリヤブレーキに乗せ、左右のミラー調整。

例えミラーの位置が合っていても、さわるだけさわるのだ。

ミラーを調整してるんだぞっというエネルギーを体全体から放出します。

キーをONにしニュートラルの緑のランプを確認してからエンジンスタート。

ブロロロン...。

すでに三人の検定が終わっているのでエンジンは暖まっています。

よろしい。

再度右後方を確認し、右足をついて左足でギアをローに。

カン、といい音が響きます。

もう一回左右に大きく首を振り、ウィンカーを出していよいよ発進。

ここまでの手順は何回復習したことか。

ここまでは絶対100点満点である。

外周コースを走りながらウォームアップ。

長い直線では出来るだけスピードを上げ、コーナー前でポンピングブレーキで速度をグッと落とします。

「安全運転」とばかりにのんびりゆっくり走っててはいけないのです。

教官曰く「メリハリのある運転」。

シフトアップ、シフトダウン、アクセル、ブレーキを繰り返しながらキビキビと走ります。

 

さて最初の課題「波状路」。

立ち姿勢でバイクを安定させてからゆっくりと障害物を乗り越えていきます。

車体が重いので前輪が斜め方向に入ったりすると、途端にバランスを崩しコースをはずれてしまいます。

講習中は「ケツが出てるよ!!」とよく注意されました。

いわゆるへっぴり腰であります。

今回も絶対脱輪させないように、で頭がいっぱいだったので相当格好悪かったものと推測します。

5秒以上かけなければいけないのですが、これはそんなに神経質にならなくてもある程度ゆっくり走っていれば5秒以上かかるそうなので、とにかく「脱輪しない」。

上手い人は障害物を感じさせないほどスーッと抜けていきます。

私の場合はオフロード車がでこぼこの林道を走っているようにガタガタドタバタに見えたことでしょう。

「ホッ」、何とか通過。

コースに戻ります。

 

さて次は坂道発進から一本橋だ。

坂道発進は今までエンストしたこともなく、減点対象のエンジンの吹かし過ぎなどに注意すればトルクのある750ccのこと、グーッと登ってくれます。

さて、パイロン位置で一度停止して「一本橋」。

最も苦手とする部分です。

「落ちたら検定中止」「慎重になりすぎて落ちるんだったら減点覚悟でスーッと抜けよ」「視線は遠くに見える畑の中」「ニーグリップ」「小刻みなハンドル操作」頭の中で確認。

深呼吸。

発進...。

ブロン。

あっ!! ちょっと半クラッチの感覚が違う。

車体が予想以上の勢いをもって出過ぎてしまう。

無意識にブレーキ。

この時点で車体が一本橋に対してわずかながら斜めになってしまった。

ゲッ、どうしよう。

真っ直ぐ入ったってうまくいかないもの、斜めに入ってうまくいくわけない。

たぶんこんな微妙なところで止まったこと自体、減点だ。

とにかく何とかせねば。

ここまま進むか、車体を立て直すか。

「...落ちるんだったら...」ととっさに判断し再度減点覚悟で足つきしながら車体を真っ直ぐに戻す。

「クラクション(検定中止を意味する)がなりませんように...。」

その6 >>>