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【エベルハルト・ベッチャー:ホルン協奏曲】ランハルド・ベッチャー(hrn)
またまた難曲だ。
しかも現代音楽だ。
こういう楽譜をもらったら、私だったらソルフェージュもできずに、ひたすら繰り返し練習しかあるまい。
そんな曲を実に見事に吹いていると言っていいでしょう。
ちょっと発音時に不安定感がある時もあるけど、そんなの気にしちゃいけない曲だ。
歌の部分はヴィブラートがかかって美しい。
ヴィブラートといえば、私の中では、ブヤノフスキー氏やダム氏やティルシャル兄弟になり、大分時代が古い。
ホルンやクラリネットでヴィブラートをかける奏者(お国柄)もありますが、それはそれで私は好きです。
【マレク・ミクローシュ:ホルン協奏曲】ゾルターン・ヴァルガ(hrn)
これは随分と楽しい曲だ。
そして何よりソリストがメチャクチャ上手い。
「バボラーク氏の録音です」と言われたら信じてしまうだろう。
録音がクリアだから、発音のひとつひとつがよくわかる。
以前、登場したマジャーリ氏はハンガリーと言うことでしたが、この演奏もハンガリー放送交響楽団だからハンガリーの方でしょうか?
冒頭、ソロが一人で吹き始めるが、その瞬間にもう決まりである。
美しい音の世界とともに、この演奏は絶対上手いという安心感も広がる。
跳躍もスラーもリップトリルもハイトーンも、何をやっても全く危なげがない。
ついつい有名オケの首席奏者ばかりを偉そうに語ってしまっていたが、実に恥ずかしい。
私の知らない世界にこんな凄い奏者がいたとは。
愛知県支部長さんに活を入れられた!!
【カレヴィ・アホ:ホルン協奏曲】アンウ・サルミネン(hrn)
アホ氏の名前はトロンボーンの楽曲で聞いたことがある。
今回はホルン協奏曲であるわけですが、またまた難解だけど、これくらいなら何とか私でも対応できそうだ。
全体が5つの部分にトラック分けされているけど、「第1楽章」とか「第1部」でなく、"Bar 115"とか"Bar 520"などになってるのが面白い。
同音を異なる運指で吹かせたり、自然倍音で吹かせたり、重音を使ったり、バックのホルンがソリストと掛け合いをしたり、なかなか愉快な事をやっている(みたいな気がする)。
はたまた、ロングトーンしているホルンの音がいつの間にかオーボエに変わってしまっている、映像世界のモーフィングみたいな部分がある(気がする)。
現代音楽に間違いはないのでしょうが、そんな部分では楽しめる曲だ。
演奏者は上手いのであるが、録音がややOFF気味で、前曲のヴァルガ氏の後というのも私的にちょっと不利。
【エドワード・グレグソン:ホルン協奏曲】アイファー・ジェイムズ(hrn)
学生時代はブラスアンサンブルを熱心に勉強していましたが、一番のお手本はやっぱりPJBEでした。
PJBEと出会わなければ、フレッチャー氏との出会いもなかったはずです。
アイファー・ジェイムズ氏も然り。
一緒にアンサンブルを組んでいた、今はプロのオケで活躍しているホルンの先輩も、ジェイムズ氏のように吹くべく研究・練習をしていました。(確か先輩もパックスマンを使っていたような記憶が...)
この録音はイギリスのブラスバンドをバックにしての演奏。
テューバでも同作曲家でブラスバンドとの協奏曲がありますが、生でやったら相当バランスが難しいでしょうね。
season1に登場した若きスーパースター達に比べて地味な感じは否めませんが、実直そのもの、絶対的な安定感を感じます。
多分若干の思い入れも手伝っているとは思いますが、素晴らしい演奏には心から拍手を送ります。
【パウル・ヒンデミット:ホルン協奏曲】マリー=ルイーズ・ノイネッカー(hrn)
今度は間違いなく女性ホルニストだ。
ここでやっと「繊細な」とか「軟プレス」とか普段なら使うわけだが、いや、そんな感じではない。
パワフルで、且つ美しい音色だ。
力強い中でうっすらかかるヴィブラートが、女性らしいと言えばそうなるが、男性でもこういう人はいらっしゃるでしょう。
録音も絶妙で、ホルンの音もオケの音も会場全体の広がりや響きも実によくとらえている。
本シリーズの中でもかなりの優秀録音!
moribinさんからのコメント
ノイネッカー女史は、女性だから注目されたというのはもちろんあるでしょうが、オケの支え方とかマスを感じるソロとか、ホルン奏者として注目されるに値する立派な演奏をしていると思います。
独特の美しさを感じるという意味でもたぐいまれなる奏者ですね!
arioso
御意!!
さらに、今の我が国のマスコミは何かにつけて「美しすぎるナントヤラ」と、本質と全く別次元のいかにもスッカスカでペ~ラペラの情報を発信していますが、今回は私もこのスッカスカ情報を付記したいと思います。
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