arioso BLOG >>>

オーディオは楽し〜スピーカー買い換え編 その3


2回目にお店を訪問した時、聴き慣れたCDを持参し鑑賞させて頂きました。

 

1)ダイアナ・クラール(vo)

「ラヴシーンズ」の1曲目"All or Nothing at All" 

冒頭のベースとヴォーカルの絡み合い。

ベースがバシッバシッと聞こえるか。

ボヨ〜ンとゆるんでいないか。

指で弦をはじいている動きが「見える」か。

 

2)伊藤君子(vo)&小曽根真(p)「アット・ザ・モントルー」の2曲目"The Island"

広いライヴ会場に二人だけのパフォーマンス。

会場の広さが分かるか。

小曽根さんのピアノが「柔らかく立つ」か。

小曽根さんの素晴らしいピアノソロに没頭できるか。

 

3)ショルティ/シカゴso「マーラー第六」の冒頭

説明不要。

シカゴsoがサイコーに良く聞こえるか。

 

こういう場合の試聴はもちろん完全ではありません。

いくら聞き慣れたCDとは言え、スピーカーもその他の機器も自宅のものと全く違うわけだし、何より部屋が違う。

自室で同じ音が出るわけない。

お店でその実力とか可能性をチェックするだけです。

逆に言えば可能性だけを確認できれば、自室でもっと良い音が鳴るセッティングが出来るかも知れないのです。

聴かせて頂いたのはもちろん"BM15"と"BM15A"の2つのみ。

交代に同じ部分をかけてもらいます。

 

さて、No.1。

ベースが小気味よく響きます。

最初の10秒を聴いただけで、こんな小さなスピーカー(両者とも)からこんな音が出るのか!!と驚きます。

よく自動車を走らせていると、信号待ちなどの際に大音量で音楽(?)をかけている車が横に止まったりします。

窓は閉めていますが、ドスンドスンともの凄い重低音が響いています。

あれはあれでそう言う音を楽しんでいるのでしょうが、私の聴く音楽で一番困るのはああいう種類の低音です。

芯のしっかりした、スピードのある、音程がはっきり分かる、余分な響きがない、しかし力のある低音が聞きたいのです。

素晴らしい低音を聴いた時、ついつい凄い「重低音」と表現してしまいますが、私の求めているのはひょっとしたら「軽低音」「速低音」かも知れません。

 

話を戻します。

そのベース、まさにスピードのある軽低音でした。

その後登場するクラール女史のややかすれ気味の低い声のヴォーカル。

しっとりと濡れている唇が見えます。

同じような色っぽい唇であっても、アンディ・ウォーホルのマリリン・モンローのような平面的な乾いた唇ではありません。

続くギターソロ、ギターの箱の音が実にまろやかです。

ヴォーカル&ピアノ、ギター、ベースというドラムレス・トリオなので、各自の音が鮮明です。

 

No.2

伊藤君子さんの歌もよいのですが、小曽根さんのバッキングとソロに感動する1枚です。

実にセンスの良いピアノで私の愛聴盤です。

柔らかな音だけどコンコンと響くので心地よい。

ついつい目を閉じていつものように首を振りながらソロを聴いてしまいます。

君子さんのヴォーカルがマイクとPAを通して会場の空気を震わせているのがわかります。

いわゆる臨場感も合格。

 

さあ最後はシカゴsoです。

スピーカーが小さくなると言うことはオーケストラ、特にマーラーのような音楽には絶対不利だと思っています。

どうなるでしょう...。

 

(2004.05.11記)