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オーディオは楽し〜青春編 その5


フェザータッチボタン。

今や「フッ」とボタンに触れると音もなく「スッ」と動き始める機器は当たり前です。

私が手にしたのは「フッ」「スッ」ではなく、どっちかと言うと「フッ」「ガシャッ」...何か故障しやすい感じですね(その後、故障する...)。

でも嬉しいじゃあありませんか。

きっと嬉しさのあまりに「フッ」「ガシャッ」を繰り返す作業が故障を誘発していたものと思われます。

大昔の話なので真っ先に何を録音したかは記憶が曖昧なんですけど、たぶん冨田勲氏のシンセサイザー版「ホルスト:惑星」であったと思います。

あれは凄かったね、画期的だったね。

今聴いてもそう思います。

そんな感じで、誰か新しいLPを買うと、友達同士貸し借りをしてカセット等に録音するという作業は当たり前の時代、その数年後には「レンタルレコード屋」という画期的な商売が登場します。

 

レンタルレコード...今から考えると随分と乱暴な商売でした。

誰か傷つけたら終わりだし、痛んだ針でプレイしたらガリガリになっちゃうし、指紋がベタベタついてるのは普通だったし。

ちゃんと「オーディオ」している大人の人たちは恐らく利用していなかったでしょう。

しかし2,500円のLPレコード、おいそれとは買えません。

いろんな音楽を聴きたい若者にはこの上ない仕組みでした。

パチパチ、バチン...というノイズは我慢しながらよく利用致しました。

 

話は戻ってカセットデッキ。

2台になったわけなのでいろいろと遊べます。

ノイズの激増と音質の劣化を伴うカセット同志のダビングなんて今や考えられない行為ですが、それもまた楽し。

カセットテープにいろいろと整理していくのが楽しいのでした。

友人のカセットやLPをお借りして、はたまたレンタル屋さんから借りてきて、バンバンとコレクションが増えたのです。

それらを大学ノートに整理していく楽しさ。

きっとコンピュータでデータ管理をしている今の自分の原点がそのあたりだったのでしょう。

 

いろいろと録音が増えていくと何か目標が欲しくなるものです。

コレクターならではの「コンプリート思考」です。

その頃買っていた「FM fan」という情報誌の裏表紙にいつもDEUTSCHE GRAMMOPHONの宣伝が載っていたのですが、そこに登場する黄色いマーク、カラヤン、ベーム...う〜ん...いいなぁ...でも多すぎる。

とても学生が買える量ではありませんし、カラヤン氏もベーム氏もバリバリの時代、新譜も多いし。

結局そういう思考はいまだに続いているのですね。

 

さて中学〜高校と(それなりに)盛り上がっていたオーディオ熱は大学受験を迎え一段落することになります。

音楽関係に進学するため、音楽を聴くという作業は日常的に続いているのでありますが、機器の更新などは大学生になるまで一休みです。

いよいよ次に登場するのは約15年間私のシステムの目玉となるタンノイのスピーカー「バークレイ」であります。

 

(2005.08.03記)