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オーディオは楽し〜アンプ買い換え編 その3(終)


というわけで、買ってしまった電源ケーブル。

秋葉原老舗の電線屋さんオリジナル商品です。

御本家店より安く売っているところをインターネットで捜して取り寄せました。

 

休日。

いよいよつなぎ直します。

当然、換える前に元の付属ケーブルで音を聴いておきます。

登場するCDはもうお馴染み「ショルティ/シカゴsoのマーラー第六」と「ダイアナ・クラールのラヴ・シーンズ」。

まぁ、どんな点に注目...いや注耳して聴くかは、春のスピーカー買い換え編に書いたので今回は割愛しましょう。

 

さてケーブルを交換します。

ケーブルそのものが太いので、取り回しが結構面倒くさい。

アンプの出し入れも面倒くさい。

でも頑張りました。

無事交換してまずその姿、電源タップ(これも今回のケーブルと同じメーカーのものです)からアンプにドワーッと太い線がつながっている。

当たり前だ。

でもこれだけで音が大きく元気になったような気がする。

さっそくダイアナ・クラールから。

まず事前の予想。

音が大きくなるんじゃないか。

スピード感が増すんじゃないか。

特にドラムレスなのでベースがビンビン聞こえる盤、期待で胸いっぱいです。

こんな事を考えながら1曲目。

 

play !

 

ん! んん!? 音が小さくなった...。

予想外の展開にちょっと驚きます。

もちろん、ヴォリュームつまみはさっきと同じ、ジャスト9時。

とくにヴォーカルのダイアナ・クラール、「口が小さく」なった。

ブーンと鳴っていたベースの響きがシンプルになった。

簡単に言えばコンパクトになった。

この時点では何がどうなったのか詳しく判断できないんだけれど、とにかくいつもよりちょっと音が小さく感じる。

ヴォリュームレベルを上げる。

おお!! ぐっと迫力が増す。

ヴォリューム上げたんだから当たり前だけど、以前聴いていた感覚にするにはこうしなければなりません。

音が大きくなったんだけど前の音とは違う。

スッキリしてる。

霧が晴れている。

演奏者がマイクに近づいている。

 

こうなるとある考えが浮かびます。

今までは音に「贅肉」がついていたのか?

ゆえに、ある程度のヴォリュームで随分と大きな音と感じていた。

しかし、余分なものがとれたので音量が上げられるようになった...。

そうだ、音量を上げてもうるさくないのだ。

な〜るほど。

実に納得です。

 

次にマーラーを聴きます。

同じだ。

体重が軽くなっている。

もっと音量を上げたいという欲求がでてくる。

特に冒頭のベース「ガッガッガッガッ...」などは音量を上げないと松ヤニが飛び散らない。

ヴォリュームつまみを回しても圧迫感がない。

クラシックの優秀録音盤などによく使われる表現ですが、まさに「スコア全体がよく見える演奏」により一層なりました。

しかし、これらはやっぱり「好きずき」が関係するのでしょうか。

多少の贅肉、いや表現が悪いな...多少のふっくら感が好きな場合もあるでしょうし。

私はxrcdのクリアな音が好きなのですが、硬すぎてイヤだという人もいるとか。

今回のケーブルに関しても聴いた人の感覚で意見が分かれるのだろうと思います。

まさに趣味の世界。

 

例えば2万円の電源ケーブルと言ってもその材質や作り方でまたいろいろな音が聞かれるのでしょう。

ひょっとしたらアナログ盤を聴く時のカートリッジ交換的手法もあるのかも知れません。

いやーでもなかなかそこまでは行けないだろうなぁ。

高ければ良いということも無いでしょうし、家の機器に100万円のケーブルをつなぐ愚行は絶対ありえませんが、でも、たかが電源ケーブルで音が変わるのだという事実は分かりました。

 

今回の電源ケーブルは私としては凄く高価だったけどとても満足。

「電源ケーブル,ナントカ特集」なんて本に載っていても見向きもしなかったのですが、反省します。

今、またダイアナ・クラールのCDを最初から聴きながら足に乗っけたPowerBookのキーを叩いていますが、ところどころ手が止まります。

ベースがビシッビシッとはじける音、ピアノのペダルが上下するたびにダンパーが弦に触れるカサッカサッというノイズ、ダイアナ・クラールの口の中の潤い(ちょっとイヤな表現ですいませんけど、舌にからまる唾液が見えるような...)、ちょっと変な聴き方?

 

春に始まった一連の流れ(スピーカー Dynaudio Acoustics BM15,アンプ Rotel RB1090+RC1090,スピーカーケーブル Sharkwire Splendid Musical...)は今回の電源ケーブル導入で取り敢えず一段落と言うことになります。

振り返ってみると使った金額はウン十万円ですが、下取りで戻ってきたお金もウン十万円。

特にスピーカーとアンプは金額的にはグレードダウンですもの。

ポーンと100万円のアンプを買える環境の人は別ですが、あまり無理をせずに自分にあったものにしていけば、これは結構楽しめるなぁと改めて感じました。

いわゆる入門用のアンプやスピーカーでも、こだわりをもってケーブルなどの環境を工夫していけば、好きな音を楽しめるのだと思います。

というか、そういった事で楽しむ趣味なんでしょうね。

10万円のアンプを買うより、8万円のアンプ+2万円のケーブルとかね。

結果、大好きな音楽がもっと身近になりますよ。間違いない。

 

(2005.01.16記)